M20 伝える技術2
前回はクライアントへのフィードバックの話だった。観察したことを伝える、要約してポイントを伝える、別の視点で要約してみる。これらいずれもクライアントに新しい気づきをもたらすこと。クライアント自身が気づいていない場合に有効だ。
今回は、背中を押す、ということを取り扱った。
クライアントが行動を起こしたのだけれども、また立ち止まってしまったとき、あるいは再び悩んだとき、の話。
そんな時は、次の対応が必要になってくる。
- 目的や目標を再確認し、その重要性を再認識する
- 目的や目標を再確認し、別の方法で達成する方法を探る
- 目標の下方修正が妥当であるかを検討する
- 不安を取り除く
自分自身の経験、あるいはクライアントさんとのセッション経験からいっても、迷ったら再度原点に立ち返る、というのは有効だと思う。
そこで動機を再確認して前に進むか、あるいはクライアントの状態によっては下方修正あるいは立ち止まる、という選択も出てくるかもしれない。
その場合、コーチはクライアント任せにすべきか、あるいはコーチ自身の意見を述べるか。
そうした視点を持つ必要がある。なぜなら、コーチはクライアントの人生に関わっているのだ。放任主義でクライアントにお任せ、というのは違うだろう、コーチも真剣にクライアントと向き合っているからこそ、伝えたいことだったり、背中を押すことが必要と思える場面、ということもある。
決して無責任にならず、クライアントにとって後悔のない選択になるよう関わること、そしてそれがコーチにとっても後悔のないように努力すること。
そうしたことを大切にしてほしい、そういうコーチングをしてほしい、ということだ。
これは全体を通して大森さんが一貫して伝えてくれていること。
コーチングの道義的責任の話。あるいはコーチの倫理観の話。
繰り返し考えるべき視点なのだと染み染み思う。